◆お腹を使う意味を知っておこう
歌う時、お腹を使う役割について、すでに、知っている人もいると思いますが、知っている人は、おさらいのつもりで読んでみて下さいね!
声を出している時に、お腹を使うのは、「息をコントロールする為」です。もちろん、発せられる声自体にも良い影響を与えます。息を吸うと、お腹の中にある横隔膜という筋肉が下がり、声を出す(息を吐く)時は、ゆっくりと上がっていきます。
この横隔膜が、ゆっくり&じっくり上がるほど、細く長い安定した息を送り出すことができます。
安定した息を送り出すことは、声質や声量のバランスを整えてくれて、歌声も安定させてくれます。
では、歌う時に、お腹を強くプッシュするとどうなると思いますか??
◆勘違いをした使い方
よく、発声練習で行われる「ハッ、ハッ、ハッ」というような、音を短く切って声を出す時に、お腹は、その都度「ペコ、ペコ、ペコ」と凹みます。
これは、お腹を使って、大量の息を一瞬にして吐き出している状態です。
短く切るような声の場合は良いのですが、声を長く伸ばすようなフレーズの場合は、息が続かなくなります。つまり、通常の歌(短く切らない、ある程度の長さのあるフレーズ)の場合、このように、「ペコ」とお腹をプッシュする使い方は、あまり行いません。
◆声が嗄れやすくなる人も!
声は、息が声帯を通過する時に生まれます。
今回は、声帯を「扉」のイメージに例えて、お話ししましょう。
その扉とは、左右対称の扉が2枚あり、真ん中が開くような扉です。
⇒そんなイメージを持っておいてくださいね。
声が生まれるのは、その扉の中央に程よい風(=息)が流れる時です。息が弱すぎると扉は開かないし、強すぎると扉が開き過ぎて、声が生まれません。
良い声を出す為には、「扉を閉じる力と息が通過する力」が、適度なバランスを保つ必要があります。
この「お腹プッシュ」の場合、はどうなっているのか?と言いますと、扉は程よく閉じようとしているにも関わらず、その間を強風を浴びさせ、無理やり、扉を、こじ開けようとしているような状態です。
想像してみると分かると思いますが、これでは、扉が壊れますよね・・!
つまり、声が嗄れたり、強い声が出なくなってしまう原因となるのです。
◆お腹のプッシュ癖を直そう!
もし、歌う時、お腹を強くプッシュするような癖がついている人は、一度、見直してみる事も大切です。
見直す時の、チェック項目は、コチラ!!
歌っていると・・
・声がすぐ嗄れたりしていないか
・息が足りなくならないか
・声が破裂音のように、勢いで出ていないか
どれかに当てはまる人は、ぜひ、この機会に、お腹のプッシュをストップしてみると、改善されるかもしれませんよ!試してみて下さいね。
written by KAN
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