◆上を向いて歌うシンガー
ライブパフォーマンスで、天井を見上げるように上を向いて歌うシンガーを、よく目にします。特にロック系のシンガーに多いような気がします。上を向くと、言葉はしゃべりにくくなりますので、ロングトーンで声を伸ばしているシーンなどで、目にすることがあります。
なぜ、そのような体勢でも、歌う事ができるのか??
一般的に、歌う時は「顎を引いて真っすぐ前を見る」というスタンスが良いと言われています。それは、喉周辺の柔軟性を確保し、声帯の動きを自由にしてあげるというメリットがある為ですが、上を向いても歌えるということから、ある気づきが得られます。
◆上を向ける=発声に関与しない筋肉がリラックス
喉や顎の発声には関係しない筋肉に力が入ってしまうと、上を向いては発声できなくなり、特に、高音は出しにくくなります。でも、発声に関与する喉の筋肉に、悪い影響がなければ、上を向いても歌える。
ただ、この「上を向く」という状態を作る時に、注意が必要です。
「苦しい状態」になってはいけませんので、次のことを確認しながら、慎重に行ってみると良いと思います。
◆上を向いた時に・・・
・普段どおりしゃべれるような、気道は圧迫されないようにする。
・口を閉じていると、首周辺の筋肉や筋が少し張りますので、しっかり顎を落として(口を開けて)母音「ア」で軽く声を出してみる。
・上を向く角度は、真上にしないで、45度くらいにしてみる。
・喉周辺に力みを感じたら、練習をやめる。
本当に、ガチガチに力みが入っている人は、少し上を向いただけでも声が出しにくくなります。発声に必要のない力みを軽減する為のヒントを得ることができる場合もありますので、試してみるとよいでしょう。
発声指導において、一般的な顎を引くという指導に対して、真逆に、少し顎を上げて歌うと良いという指導も行われたりします。
これは、顎を少し上げることで、喉の力みを、半ば強制的に入れさせない状態を作っている、ということも言えるのではないかと思います。
なので「少し顎を上げて歌った方が声が出やすい」という意見があるのも納得できます。
顎は、引いても、少し上げても、適切な発声が出来ている人にはあまり影響はない。今回は、それを利用して、不必要な力みを軽減する練習法(確認法)として、少し上を向いて声を出してみる方法をお伝えしました。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
written by KAN
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