◆声は「出す」だけではない
誰しも、自分の歌は、一人でも多くの人にしっかり聞いてもらいたいと思うもの。それは、大きいステージでも、カラオケであっても同じこと。歌っている時に、ザワザワされたり、その場から離れていってしまう人を見ると、テンションが下がりますよね・・。
聴衆に、終始しっかりと自分の歌を聞いてもらう為には、相応の歌唱力とテクニックが必要です。でも、、それだけではありません。
少し、人間の心理行動的な部分にも目線を向けてみると、歌を惹きつけることができるようになるのです。それは、誰にでもできる簡単なコツです。今回は、そのコツを、お伝えしていきます!
◆「聞く」集中力が無くなる時って?
映画やドラマでも、長時間、集中して画面を見続けると、疲れてくる時があります。同じ体勢で体がツライ、作品の内容がイマイチだった、何か他に優先すべきものが出てきたなど、その理由はさまざまでしょう。映画であれば、時間は、約120分です。確かに、歌に比べれば圧倒的に長いので、よほど面白い作品でないと、集中し続けるというのは、なかなか難しいでしょう。
でも、歌は、およそ5分程度のもの。
5分であれば、聴衆を惹きつけておくことは、映画よりは、難しくないように思います。ここで、人間の心理をひとつ!!
「人は、追われると逃げたくなる」です。
営業のセールスでもそうですが、「買ってください!」と強く言い寄らせると、買いたくなくなる。買うつもりでいたのに、その気持ちがしぼんでいく。。そんな経験があると思います。逆に言いますと、「向こうが一歩引けば、そこにスペースができるので、一歩踏み込みたくなる」!!
話を歌に戻しますと、「聞いてくれ!」という歌声=【大きい声、威圧的な声】を、ずーっと出していると、聴衆は、疲れてきて徐々に引いていきます。
しかし、逆に、耳を澄まさないと聞こえないくらい声を小さいする、と、会場は静まり返ります。なぜなら、聞き耳を立てないと、歌声が聞こえないからです。
ここで気づくことは、「聴衆に聞いてもらえる声」というのは、「出す」だけでななく、「引く」もある、という事です。
ボーカリストが静かに歌えば、うるさかった会場は静かになります。その歌声が聞こえなくならないように、空気を察して、会場はザワザワ~を止めるわけです。
◆「あたり前」が「あたり前じゃなくなる」
更に、惹きつけるコツは、「声を引く」だけではありません。
例えば、ある曲のバンド演奏が始まったとします、1分、2分・・と演奏が進んで行きます。そこにボーカルも声を乗せて、歌い続けています。
そして、後半、いきなり「演奏ストップ、歌もストップ」何も音が出ていない状態(無音)になったとします。すると、あたり前になっていた演奏や声の「音」が無くなるので、聴衆は、息をのむようにステージ上を見つめ、「次はどうなるんだ!?」と、緊張感と期待感を持って待ちます。
無音の状態で、ステージ上に注目を惹きつけることができます。
これは言うまでもなく、音が、継続的に鳴っていたから「音が無い状態」で惹きつけられるわけです。歌の場合でも、フレーズの語尾を、バサッと切るメロディーや、少しタメを作って歌う時があると思います。まさに、その時に、しっかり「無音」を作るわけです!
自分の歌を終始、聴衆に聞いてもらう為には
声を引く、もしくは、出さない、という選択もある。
このコツを覚えておいて、ぜひ、あなたの歌に役立ててみてくださいね!
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