このブログ記事は、歌う時に喉に余計な力みが入る「喉締め発声」で困っている人へ、少しでも何か役に立ててもらえたらと思い執筆しています。
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中学生になると、変声期がやってくる。これは、誰にでも訪れるわけで、特に男子は、一気に、高い声が出しにくくなる。
音楽の授業や合唱では、その中でも割と高い声が出るテノールと、低い声が出るバスに分かれて歌う事が多かった。自分は、声の響きからいって完全にバスパートだった。
バスは、とにかく胸に響かせたような太い声、大きい声で歌う。
そんな風に歌ってね、と指導を受けたわけではないけど、なんとなく、無意識に、そういうイメージがあった。
大きい声を出せる奴がスゴイんだ!みたいな、ね・・。
クラスの中では、自分よりもっと大きい声が出せる人がいたから、それに負けじと対抗するように歌っていたような感じだったかな。
いわゆる声が胸に響いているような声=胸声(チェストボイス)
その声で幅広い音域を歌っているような状態。
とは言っても、バスなので、そこまでの高音は出てこないので、なんとか歌えるぐらいの音域は発声できていたと思う。
(だいたい高い「ミの音」ぐらいまでかなぁ。)
中学生時代は、とにかく、大きい声を出す機会が多かった。
例えば、
・部活の応援
・体育祭の応援
・合唱
・好きなバンドの歌を自主練(自宅で歌う程度)
どのシーンでも発声は同じで、太く強い声で、すべての音域を歌っていたという状態。
この頃の喉周辺の体感としては、
・高い音を出そうとするとアゴの下にかなり力が入る
・高音は喉の気道が狭くなっている感じがする
・無理やり声を押し出している体感
テノールパートを歌っている同級生を見て、全然、頑張っていない声で、しかも優しい声で楽に出している。当時は、何気なく見ていた、羨ましいという感情とかもなく。
発声的には、間違いなく、そっちの方がグッドなのに、なんとなく「自分の方が声大きいし!」みたいな謎の優越感があったのかも笑。
「歌声は太く強い声で歌うんだ」という意識を、ずーっと持ち続けて歌い続けた中学時代。でも音域が伸びたという感覚は、まったく得られなかった。
でもまだ、この頃は、声の出し方に悩んでいたという感覚は無かった。
だって、このまま練習し続ければ、きっと楽に高音が出るようになるって純粋に思っていたから。(←あぶない思い込み)
90年代半ば、流行曲もサビの高音域も、昔の曲に比べるとずいぶん広がっていた。そしてカラオケブームの始まり。いよいよ、誰かに自分の歌を聴いてもらうという状況がやってくる。