◆L.A ライブバーで歌うシンガーレベル
L.A留学期間に、街のライブバーに生演奏を聞きに行ったことがありました。ライブバーは、ロスと言っても、街はずれにある小さいライブバーでした。
※冒頭の写真がその店内です。
街のはずれという事もあって、その日は、お客さんも5割くらいの埋まり具合という感じでした。ステージに登場したシンガーは、ちょっと小太りの女性で、年齢は30代~40代くらいの印象でした。見た目から、歌いそうなムードを出してましたねw
バックバンドは、ドラム、キーボード、ベース、ギター、パーカッションが入っていて、歌っていたのはジャズやソウルの曲が中心。
1曲目の演奏を終えて、まず思った事は、
演奏と歌の「レベルが高い」ということ。
何に比べて高いのかと言いますと、日本のライブバーで演奏している人に比べて、です。日本とアメリカ「それぞれの良さ」というものは勿論ありますが、技術的な面で、明らかにレベルが高い。本物を学びに、アメリカに来る音楽家が多い意味が、理解できました。
演奏力、歌唱力だけを見れば、日本のプロレベルでした。
それだけ、アメリカは全体的なレベルの基準値が高い。ストリートミュージシャンでも、上手い人は大勢いましたから驚きです。平日サラリーマンが、歌ったらめちゃめちゃ上手い!
プロになるのは、ズバ抜けた技術面、スター性、カリスマ性などが必要。アメリカは、「このシンガーレベルでも、音楽だけで生計を立てるのは難しいのか・・」と、深く痛感しました。
◆何が上手いと思ったか
演奏や歌を聞いていて、何が上手いと感じたか。
それは「リズム」でした。
リズムを使った表現が、とにかく多彩で上手い。リズムで、お客さんを楽しませる、音楽を作っていくという感覚。タメたり、ツッコんだり、そのノリの揺さぶりが、とても心地よい。音楽のテンポは、一定に流れているはずなのに、時間が止まったり、遅れたり、進んだりしている感覚。
そして、リズムの粒の感じ方が細かい。いわゆるビートの細かさですね。ビートの感じ方が細かい分、歌声のフレーズが滑らかにつながっているように聞こえます。
黒人が流れるように歌い回すのは、これが、その理由です。
その時は、演奏に食い入るように見てしまい、食事やアルコールを注文することも忘れていました(笑)
われわれ日本人が思う「歌が上手い」とは、少し概念が違う。
「正しく歌う」とか、「ちゃんと歌う」という概念ではなく、
「音で遊ぶ」とか、「じらす」「人を楽しませる」という概念で歌っている。
結局、それが、「凄いことやっている!」と思わせるのです。自由な国、アメリカ文化らしい音楽と演奏。発想、アイディアも、予想外が事をやってくれます。レベル高いと思いつつも、その「レベルの種類」が、日本人の概念とは、少し違う事を学んだ一日となりました。
予想通りの歌ではなく、いい意味で、聞いている人を裏切る歌を歌うこと。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
仙台ボーカルレッスン LOOSE VOICE(ルース ボイス)